【批評】これは「映画」か、AVか ― 麻里梨夏・富田優衣「3日間の記録(仮)」

彼女が3日間家族旅行で家を空けるというので、彼女の友達と3日間ハメまくった記録(仮) 麻里梨夏 富田優衣 dvaj00355

AVは実用品か、それとも作品か。短編映画のようだと絶賛され、同時に「抜けない」と言われた本作は、ジャンルの境界そのものを問う。

リアリズムという、もう一つの興奮

彼女が留守の3日間、その友達二人と自堕落に身体で結びついていく——本作が掛けるのは、AVらしからぬ「生活感」のリアリズムだ。普段の作品では口にしない言葉、スマホで撮ったような映像の挿入、テンポのよい演技。観客は性行為そのものより、その場に流れる空気に没入する。早送りせず最初から観てしまう、と多くの声が証言する独特の引力がある。

ドキュメンタリーの手つき

麻里梨夏と富田優衣、タイプの異なる二人が作る間合いが絶妙で、一対一の最中にもう一人が朝食をとっているような、生々しいディテールが散りばめられる。記録映画のような構成が、フィクションに不思議な現実味を与えている。リアルとは、必ずしも現実であることではない——本作はそれを実演している。

惜しい点 ― 「作品」と「実用」のトレードオフ

批評として一点。映画的なリアリズムは、AVの直接的な実用性とは時に相反する。「ただ抜きたいなら他を観た方がいい」という声は、本作の達成の裏返しでもある。また、麻里梨夏単体のファンには、群像劇ゆえに彼女への集中が薄まり、物足りなく映ることもあるだろう。作品性の高さが、万人向けではない理由になっている。

総評

AVという枠で「映像作品」を志した、明確な作家性のある一本。実用一辺倒の作品に飽きた観客にこそ刺さる。抜けるか否かではなく、何が描かれているかで評価したくなる——そんな稀有な体験を求めるなら、迷わず薦められる。

女優
麻里梨夏、富田優衣
メーカー
アリスJAPAN
レーベル
アリスJAPAN
シリーズ
彼女が3日間家族旅行で家を空けるというので、彼女の友達と3日間ハメまくった記録(仮)
監督
朝霧浄
品番
DVAJ-355
発売日
2018-10-13
収録
139分
評価
★★★★☆ (平均4.17 / レビュー446件)
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