【批評】男の声を消すという没入設計 ― 伊藤舞雪「セックス依存不倫」

人妻の皮を剥いだら生粋のヤリマン…田舎で再会した元セフレと汗・畳・精液の匂いが立ち込めるセックス依存不倫 伊藤舞雪 cawd00226

完全主観の鍵は、何を映すかではなく「何を消すか」だ。男の声と姿を排した本作が、伊藤舞雪をどこまで近づけたかを読む。

「消す」ことで生まれる没入

田舎に帰った主人公が、高校時代の関係を訪ねて再びのめり込む——本作の設計思想は明快だ。完全主観に徹し、相手役の男の声や姿を画面から排する。余計なノイズを消すことで、観客は「自分が」体験しているという妄想に集中できる。汗、畳、夏の匂いを思わせる質感が、その没入をさらに地に足のついたものにしている。伊藤舞雪の主観作品を待っていた層には、待望の一本だ。

変化をつける章構成

絡みは基本全裸だが、浴衣を最後まで脱がさずに進めるチャプターを挟むなど、単調さを避ける工夫がある。4Kが捉える伊藤舞雪のセクシーさが、画面いっぱいに広がる。不倫という背徳の設定も、生活感のある質感とよく溶け合っている。

惜しい点 ― 一貫性が、最後に途切れる

批評として一点。完全主観を貫いておきながら、フィニッシュで斜めの客観視点が差し込まれ、せっかく積み上げた「自分が」の没入が途切れてしまう。主観ものは、最後の一瞬まで視点を裏切らないことが肝心だ。またパッケージ裏の惹句と実際の内容に食い違いを感じる声もあり、期待値の管理に詰めの甘さが残る。

総評

「消す」設計で没入を作る、完全主観の良作。伊藤舞雪の魅力を間近で浴びる体験として完成度は高い。視点の一貫性に惜しい点はあるが、主観もの・不倫ものを好むなら、満足度の高い一本だ。

女優
伊藤舞雪
メーカー
kawaii
レーベル
kawaii
監督
もんちゃん
品番
CAWD-226
発売日
2021-06-19
収録
119分
評価
★★★★☆ (平均4.24 / レビュー427件)
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